増田敏也「質感ノイズ」8日目終了しました!
今回、白い空間は兵庫陶芸美術館で開催された「No Man's Land」展への出展作品をベースに展示をしております。
来てくださったお客さんがパッと見て何も展示してないと勘違いしてしまうことが多々ありましたが、
じっくり目を凝らしてみると実は作品が設置されていることに気づくような構成となっています。
増田さんの作品は距離をもって観るとどうなっているのかわからないこともあるのですが、
少しずつ近づくにつれてピクセル状に構成されていることがわかり、だんだん焦点がぼやけてくる感覚に陥り、
距離と焦点の感覚が通常と逆転するような奇妙な現象が起こります。
これも弊廊の空間だからこそ体験できることだと思います。
また、展示空間内に個々の作品を配置することで全体をインスタレーションとして構成できるのも、
増田さんの大きな魅力だと思います。
さて、とうとう明日が最終日です。
増田さんがワクチン接種のため、副反応次第で在廊できるかどうか未定となっておりますが、
他ではなかなか観られない展示ですので、どうぞお見逃しのないようよろしくお願いいたします!
増田敏也「質感ノイズ」 -Toshiya Masuda Exhibition- 2021.10.16(土) - 10.24(日)
13:00-18:00
会期中無休
作家在廊日:24(日)
※作品リストをご覧になりたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
「質感ノイズ」
画像や映像、音楽などに発生するノイズには、「ノイズとは気になりだすとそこにピントが合い、
今までメインだったものにピントが合わなくなる感覚」があるように思います。
低解像度なデジタル画像をイメージして制作している私の作品にとって、
土味や釉薬による表現、作者の手跡などは私の作品表現におけるノイズになると考えてきました。
土を素材に表現するようになって18年になり、発表し始めた頃よりも自分の作品が焼き物であることを認知されることが
増えたことで焼き物であることの意味を今一度考えるようになり、今回自分の作品に自分にとってのノイズを入れ込むことで
作品内で直接的な対比が生まれ、今まで以上に陶芸である意味性と視覚表現の効果を強めることが
出来るのではないか?という試みです。