2021/04/25

「天野裕夫 彫刻展」開催のおしらせ


「UTOX」113×91×h144 cm / 陶, ブロンズ(photo: 二塚一徹)

天野裕夫さんの3年ぶりとなる個展を開催いたします。
天野さんは3年前に故郷である瑞浪市大湫に拠点を移し、これまでとは違った環境で制作を行なってきました。
そんな中、昨年7月に記録的豪雨によって大湫のシンボルである御神木の大杉が倒れてしまいました。
大杉に対して人一倍強い思い入れのある天野さんは、その存在を後世に語り継いでいくために、
現在さまざまな構想を練っています。
今回はその大杉の枝とブロンズを組み合わせた作品や、
こちらに戻ってきたことでより意識的に制作するようになった陶の作品などと合わせて、
そのモニュメントの計画案も発表します。

いつもながら多くの作品によるボリュームのある展示になることと思いますので、
地元に帰ってきてから制作されたエネルギーに満ち溢れた作品群をご覧いただければ幸いです。

天野裕夫 彫刻展
2021.5.15(土) - 5.23(日) 
13:00-18:00 
会期中無休 
作家在廊日:15(土), 16(日), 21(金), 22(土), 23(日)

以下、作家による大杉のモニュメント計画についての文章です。

兎塔プロジェクトについて


彫刻展に合わせて大杉の幹をモニュメントにする提案を絵図にして発表します。
 

昨年の大杉倒壊後どの様に樹と神社を復興していくか大湫の人達と話し合ってきました。様々な考え方がありますが大杉に対しての敬愛の気持ちは共通していると思います。
境内に根鉢の上を切って立て、瑞浪市の文化財として末永く保存することが決まりました。さらにそれに続く部分を私が彫刻にする事を大杉再生会議で承認してもらいました。
境内に立てるところと彫刻になるところは合わせると9mほど、ゴツゴツとうねって大杉らしいところで、共に残す事ができれば大湫のシンボルとして再生できます。
彫刻の方は設置場所に台座を作って樹を載せ、そのままの形で兎の身体とします。兎の頭はやはり大杉の別の部材をアトリエへ運んで作ります。なぜ兎かというと、部材の全体の形から受ける僕のイメージと、親しみ易く大きくなって見上げても形が良く分かり易いということから考えました。

自分の作品を作るという面もありますが、大杉の大杉らしい所を大湫に残す事が一番の目的です。大杉は長い年月をかけて我が町の柱になったのだし、倒れたとはいえまだ大杉は存在していて、再び柱として立ってもらうのがこの計画です。


3年前に大湫に戻り、昨年4月から神社氏子総代となって、7月に大杉が倒れました。この偉大な樹の存在の素晴らしさを良い形に残すのが役目と覚悟して取り組んでいます。


令和3年4月吉日    

天野裕夫  

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