2013/02/07

「石巻VOICE」vol.3 IDEA


「石巻VOICE」vol.3 IDEA読ませていただきました。
今回は主に仕事についてのお話です。

震災から間もなく2年が経とうとしています。
そんな中これからどうやって生活していくかというのは
より現実的なものとして考えなければならないことであり、
その困難さはどれだけ想像してもしきれませんが、
場合によっては大変厳しいこともあるのかもしれません。
しかしこの本に登場されている方々からは、
今までやってきたことをあらためて捉えなおしたり、
親や先祖から受け継いできたものをどうやって続けるか考えたり、
あるいは今まではなかった新しいものを始めようとしたりと、
置かれた状況によってさまざまですが、
それぞれのやり方で何とかしようという強い意思を感じることができました。
震災をきっかけにしてどれだけ変われるかということは、
直接的に被災していない地方の人間にとっても切実なものであり、
また同時にその感覚を持ち続けることが何よりも難しいのだと思います。
特に割烹「滝川」料理長の阿部司さんがおっしゃっている、
「居続けるには変わっていかないと、居続けられないんですよね。」
という言葉はリアリティを持って響いてきました。

今は多くが空き地となっている場所に、これから少しずつ生活がかたちづくられていきます。
おそらく本当にいろいろな人間の思惑が交錯していて、
みんなが同じ方向を向いて歩いていくことはなかなか難しいだろうと想像します。
しかしそれでもひとりひとりの人が自分の身の回りでこつこつと積み上げていったものが、
いつしか何らかのかたちでつながっていって、
全体がポジティブな状況になっていってくれたらと切に願います。
その萌芽はもうすでに見られますし、これから育っていく可能性は大いにあると思います。
外から見守ることしかできていないのにこんなことを書くのもどうかとは思いますが、
それはそれでひとつの関わり方だと思い、これからもしっかりと見続けていきたいです。
そしてその中から見えてきたものを、今自分がいる場所に少しでも還元していくことが、
きっと何よりも大事なことなのだと今は考えています。

「石巻VOICE」はデジタルで購入できるようになったそうです。
vol.0は無料で公開されているので、興味のある方はぜひ一度見てみてはいかがでしょうか。

MAGASTORE-石巻VOICE

No comments:

Post a Comment