2012/05/10

愛知県陶磁資料館 / 谷口吉郎

Aichi Prefectural Ceramic Museum / Yoshiro TANIGUCHI














愛知県陶磁資料館は谷口吉生の父、吉郎の設計。
高さのちがう切妻のボリュームがつながって中庭をかたちづくっている構成です。
高いボリュームは若干プロポーションが変かなとも思ったけれど、
中庭の雰囲気がよかったです。
そして庇がうまく内と外の関係をとり結んでいて、
気持ちいい空間となっていました。
エントランスホールにはホテルオークラと同じ照明が使われていて、
高い空間にアクセントを与えていました。

展示の方は「西村陽平展 彫刻を聞き、土を語らせる」が開催中で、
文字通り「焼き物」の展示、つまり土に限らず紙などいろんなものを焼くことで、
その物質がもつ特性をあぶり出していて、
自分がふだん持っている「これはこうゆうものだ」という先入観を否定して、
さまざまな試行の結果が美しいオブジェクトとして提示されていました。
特にたくさんの文庫本を焼いたものが整然と並べられた空間は圧巻で、
同じ文庫本なのにその細かな性質の違いによって
いろんなすがたにかたちを変えていて、
紙が燃えるということがこんなにも多様な現象であるということに気づかされました。

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