2020/08/03

「高橋悠眞・靏林舞美 "web" exhibition」終了しました!


「高橋悠眞・靏林舞美 "web" exhibition」おかげさまで無事に終了しました!
このご時世の中ではじめての試みでしたが、予想を上回る反応をいただけて大変嬉しく思っています。

ゴールデンウィークのときには当初は通常通り展覧会を開催する予定だったのを急遽オンライン展示に切り替えましたが、
今回の場合は最初からオンラインのみとして準備を進めたので、ふだんとはかなり勝手が違いました。
実際の空間でよく観えるように展示するのと、画面を通して観せるのはイコールではないと思っていて、
最初からどのようなイメージを作り出すのか想定して、それに合わせてシーンを作っていくような方法を取りました。
ただ作品画像が並ぶだけではないオンラインでの作品の見せ方を模索したい、というのが目標としてありました。
 
その中で意識したのは、例えば映画「パラサイト」に出てくる住宅のセットが、
映画の画角を想定した空間のプロポーションになっていて、
実際の空間としては間延びするようなものであっても映像にしたときにはきれいに収まるようになっていたり、
あるいは中村壱太郎さんと尾上右近さんの「ART歌舞伎」では、ともするとファンビジネスに終始してしまい、
クオリティが伴わないのに役者の人気だけで集客を図りがちになっていた歌舞伎の配信コンテンツが多い中、
展示同様に実際に体験することが何よりも重要視されるパフォーミングアーツで、
映像というフォーマットに則って演出や演技、表情の作り方までアジャストすることで
そこでしかできないコンテンツを作り上げていたりと、
いろんな分野における試行錯誤を見て少しでも何かを感じ取ろうとすることでした。 

今の段階でそれをどこまで生かしてかたちにできたかはわかりませんが、
アウトプットの違いによってプレゼンテーションの方法も変わってくるのが当然で、
工芸の場合どうしても実際に観ないとその良さはわからないという話に終始してしまいがちではありますが、
今のような状況下においては別の可能性を模索することにも価値があると思います。
オンラインでは作品の情報に直接アクセスすることにどうしてもなってしまいますが、
そんな中でもギャラリーの役割として、作品の持つ空気感や可能性を提示することに対する努力は
惜しんではならないと考えています。 

あるいはこちらが想像もしていなかったような反応をいただくにつけ、
自分たちで勝手に可能性を狭めてしまっているのではないかという反省もありました。
ふだんの展示よりも見てもらえる方の数が増えるぶん、
より尖ったことをしても受け入れてもらいやすいかもしれないということもあります。
いかにして内輪の論理に絡め取られずに、外側に向けて発信することができるのか、
それが今の状況においてはもっとも試されていることなのではないかと思います。
オンライン上でも場所性を大切にしてそれを表現することがこれからは大事になってくるのではないかと考えています。

頭の中に漠然と浮かんだことをつらつらと書き綴っていたら思いがけず長文になってしまいました。
このお二人の展示は来年4月に実空間であらためて開催予定ですので、
さらにレベルアップしたかたちで展覧会をご覧いただけるようがんばっていきます。
また、これをもちまして展示はひと段落で、次は9月に開催予定の「五味謙二 展」です。
その次に企画している「林茂樹 展」を含めて国際陶磁器フェスティバル美濃を意識したラインナップだったものの、
フェスティバルの延期が決まってしまったので当初の目論見とはズレてはしまいますが、
いい展示をお見せできるよう作家さんたちと一緒に粛々と準備を進めていきたいと思います。
オンラインストアでは引き続き一部の作品はご覧になれますし、
少しずつ新たな作品も追加していく予定ですので、こちらも引き続きよろしくお願いいたします!

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